映画館なんて暗くて節電に良いのではないかと思ったのだが、どうも間違っていたみたいで、観客は10人前後だった。渋谷は「節電」で真っ暗。
阪神大震災地下鉄サリン事件(1995)、9.11(2001)はともに、社会の自明性が打ち破られた体験であったと思うのだが、今回の東日本巨大地震では、むしろ日本社会の力学のしたたかな持続性を感じないでもない。リスク社会化とか個人化とかの波に飲み込まれたようで、しかし潜在的な構造は不変であったという証が、「節電」にみられる東京の街の雰囲気なのではないか。戦後日本社会は「社会主義的」とも形容されたが、「計画停電」はまさに計画経済的混乱を引き起こしており、それにもかかわらず日本社会は粛々と順応を示しているようでもある。さらには戦時期日本社会の空気とも或いは通底する何かが見いだせるかもしれない(もちろん、そういった「本能」が呼び覚まされるほどに巨大な危機に瀕しているという面もあるだろうけれど。E・トッドだったら、絶対核家族でもなく平等主義核家族でもなく共同体家族でもない「権威主義的家族」の説明力を主張する場面かもしれない)。
原発がこんなに続けざまに爆発するように出来ているとは知らなかった。1号機に続いて、3号機も水素爆発。夜になって、2号機の炉心が露出。
こないだの上野の集まりで、(1)海外企業との価格競争でデフレは必然だという理解は間違いで、物価は貨幣的現象である(マネタリズム)、(2)経常収支の黒字(貿易黒字)は資本収支の赤字と恒等式で結ばれるので、黒字が国を豊かにするというのは単純な理解(=たとえば恒常的に経常収支赤字国であるアメリカは「失われた20年」にはなっていない)、(3)金融緩和でデフレ脱却すると円安が進むメカニズムは?、みたいな話が出た気がするのだが、これらについては近々記すこともあるかもしれない(眠たい話題でスマンという話でもあった)。「読め!」と言われた半導体の本の書名って何だったけ?なお上記の(3)については、
http://d.hatena.ne.jp/kktsc/20110111
(金融緩和の結果)金融が活発化して国債がたくさん買われて、長期金利が下がる(=金利を上げなくても欲しい人がたくさんいて国債を買ってくれるから)という所からスタートして、外国債への買い換えが進み、外国為替市場に円が供給されて円安になる、というメカニズム。