吉田喜重『告白的女優論』(1971)

(124分・35mm・カラー・スタンダード・モノラル)映画『告白的女優論』の撮影を2日後に控えた、スター女優3人の心の不安が描かれるとともに、その隠された過去が暴かれていく。浅丘ルリ子有馬稲子岡田茉莉子が競演、映画女優という存在の虚構性を問いかける異色作。それはいま消えつつある映画界への、吉田が贈る惜別の辞でもあった。カンヌ国際映画祭「監督週間」に出品。
1971(製作)現代映画社(監督)(脚本)吉田喜重(脚本)山田正弘(撮影)長谷川元吉(美術)朝倉摂(音楽)一柳慧(出演)浅丘ルリ子有馬稲子岡田茉莉子三国連太郎木村功太地喜和子赤座美代子、久保まづるか、月丘夢路稲野和子川津祐介細川俊之菅貫太郎、伊藤豪、原田芳雄(FC)

FCの紹介文が意味が分からないし、映画も意味が分からなかった。そもそも意味分かろうとして見てないし。「映画女優という存在の虚構性を問いかける」?? 独善的にも見えるテーマ設定はそういう時代だったから仕方がないとして、ちょっと寅さんが恋しくなる気分。映画論のための映画のような感じ。「このショットを描写する文体を開発したい!」というマニアックな意欲は湧くかもしれない。
3人の主演女優のなかでは、浅丘ルリ子がだんぜん素晴らしい。浅丘ルリ子って、実生活が幸せでなさそうな感じがあって、そこに味わいがあるんだよね。いや、映画女優という存在は虚構なんだけどさ…。けっこう露出が多かったんだけど、後ろ姿のヌードはたぶん虚構じゃなかったと思う。教師に襲われた、高校生の夏の日の回想シーンが良かったね。