前田陽一『喜劇 大誘拐』(1976)

主演:森田健作、夏純子、小倉一郎岸部シロー三木のり平ミヤコ蝶々小池朝雄、千田孝之、ひろみどり、津島恵子立川談志、石原亜希子、安田伸、立原博、沼田爆
貧乏サラリーマン赤木、就職浪人の内野、病床の妻を持つ中谷、仕事の来ないカメラマン蒲生、四人は気の合う通勤仲間。ある夜、格差社会への不満を酒で紛らわそうと酒場へ行った四人、テレビに土地成金・北上が映った瞬間、誘拐を思いつく。そこで「たいやき君同盟」という誘拐組織を作るのだが…。しがない男達が計画した誘拐事件が巻き起こす騒動を描く。(CV)

森田健作岸部シローの共演(笑)。安定成長の時代に入って、社会は不景気で、格差が広がっているという意識が語られている。千葉の成金から誘拐で身代金を奪おうという計画が、子どもではなくお婆さんを誘拐してしまい、すったもんだの大騒動となる。お婆さん役のミヤコ蝶々が、大阪人ならではの存在感を発揮していて、すばらしい(本当は東京出身、神戸育ちらしいが)。談志師匠が成金オヤジの知恵袋役で、おそらくアドリブと思われる持論を語っている。