週末上京予定のtantan氏、S氏と、昨晩は四時までskype。公開したらファンがつくのでは。その後、ブログを書きかけたが、眠くて中断。
今日は新橋演舞場で「慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ) 伊達の十役」を見物してきた。鶴屋南北原作の幻の作品が、昭和になって復元されたもの。市川海老蔵が十役早替わりを務めるのが見所。仁木弾正、赤松満祐、土手の道哲が悪役の三人、ほかには足利頼兼、細川勝元、政岡、絹川与右衛門、荒獅子男之助、累(かさね)、高尾の合計10人。芸者遊びに入れ込んだ頼兼の後継者をめぐって、足利家を乗っ取ろうと企てる悪役どもを、足利の忠臣たちがやっつける。赤松満祐の亡霊、悪の華の仁木弾正、絹川与右衛門に殺害されて恨みを残した高尾の幽霊(妹の累に乗り移って、妹もまた与右衛門に殺されるシーンは東海道四谷怪談っぽい)など、華々しさの一方で、禍々しさ、荒ぶる神の魅力がふんだんなのが素敵だった。
海老蔵はすばらしい。早替わりはマジですごくて、どうやって入れ替わったか分からない場面もたくさんあった。海老蔵はデカいし、スピードがあるし、目玉をひん剥いて見得を切っている姿をみると、細川勝元(エビゾー)も大岡裁きをして「目出てぇナァ〜」と言っていたけれど、ほんとうに目でたい気分になって、スッキリする。こないだ能の「野守」を見てきて、これも目出度い舞台だなぁと思ったけど、歌舞伎は全体的にもっと目出度い感じがして、綺麗で楽しいし、面白かった。初代市川団十郎成田不動尊を信仰していて、見得はもともと不動明王のポーズなんだとかなんとか。