溝口健二『歌麿をめぐる五人の女』(1946)

(95分・35mm・白黒)邦枝完二の小説「歌麿をめぐる女達」を基に、江戸の浮世絵師歌麿と5人の女たちの物語が軽妙なテンポで描かれる。人物のみならず江戸風俗の描写にも力が注がれている。絹代は、恋敵を情容赦なく排除しようとする気性の激しい女・おきたを演じている。
’46(松竹京都)難波屋おきた(監)溝口健二(原)邦枝完二(脚)依田義賢(撮)三木滋人(美)本木勇(音)大澤壽人、望月太明蔵(出)坂東簑助、坂東好太郎、障沛シ錦之助、中村正太郎、富本民平、飯塚敏子、川崎弘子、草島競子、大原英子、白妙公子

ある武士の絵師が、歌麿の浮世絵のなかで自分の流派がからかわれているのを知り、激高して遊郭へと乗り込む。そこに歌麿がやってくる。歌麿が家を出るときに「暑い暑い」と言って、上着を脱ぐ田中絹代がかわいらしい。歌麿は武士と絵で対決して、菩薩様に生気を吹き込み、武士は以後、彼に心酔する。
そこからの記憶がまったくない…。花魁が道を練り歩く冒頭、田中絹代などは反射していたと思うが、その後、どうなったのだろうか?