森淳一『重力ピエロ』(2009)

1時間59分 出演 加瀬亮岡田将生小日向文世鈴木京香吉高由里子 http://jyuryoku-p.com/
謎の連続放火事件。残された謎の落書きと遺伝子暗号……すべての謎が解けたとき24年前から現在へと繋がる家族の秘密が……。人間の光と闇を軽やかにみずみずしく描いた人間ドラマ!! (GH)

東北大学の大学院生を演じた加瀬亮は、世慣れないインテリ青年を好演。男前の岡田将生も、善悪判断の底が抜けたキャラを見事に演じていた。鈴木京香、好き。伊坂幸太郎の小説ってこんな感じなのか、と雰囲気がつかめたのは収穫で、渡部篤朗の悪の不徹底ぶりに「何じゃそりゃ」と、世界観がチマチマしている感を受けはしたが、因果律(遺伝子配列、呪われた出生)と自由意志(因果律を超える意志)の対立を軸に、そこそこ面白く作ってあるとは思う。音楽と相まって、母親の死を思い出して加瀬亮が泣くシーンがとても良い。ダレる部分はあるが、映画の良さみたいなものは確実にある。