ガス・ヴァン・サント『ミルク』(2008)

MILK 2時間8分 出演: ショーン・ペンエミール・ハーシュジョシュ・ブローリンディエゴ・ルナ http://milk-movie.jp/enter.html
サンフランシスコで“カストロ通りの市長”と呼ばれ、自ずから同性愛者であることを公表し公職に就き、弱者の権利のため戦い凶弾に倒れた、ハーヴェイ・ミルクの半生を描いた人間ドラマ!! (GH)

ラブラブのゲイがイチャイチャしたりディープキスしたりする冒頭、さすがはガス・ヴァン・サントと云うべきか、リベラルだろうがなんだろうが、「ストレート」にとっては生理的な嫌悪感を覚えずにはいられない。ぶかぶかになった肛門を見せつけられているかのような映像。それでもハーヴェイ・ミルクにはカリスマ性がある。命を賭けての演説、暴動寸前のデモ行進など、見応えがあった。「独立宣言」の説く「自由」を神が保障するのだとしたら、同じ神が「正常ではない性的嗜好」をスティグマ化する。これぞアメリカだ、と感心。そういえばハーヴェイ・ミルクはほとんどキリストのような描かれ方をしていた。