村上春樹『1Q84』「BOOK1」を読了。連合赤軍でひとつの時代が画されたとして、そこからオウム事件にいたる断絶と連続を読み解くとどうなるか、という小説のように思える(「もうビッグ・ブラザーの出てくる幕はない」)。その意義は十分に大きなものだし、団塊世代がまっさきに考えなければならない思想的課題であるに違いない。相変わらず図式的だが、この図式的な話型に現代にふさわしい神話性を盛り込もうという企てであろうし、月光に照らされたリトルピープルの群れは美しい。外国人読者にとっては、戦後日本社会論のハードな読解が要求されるので、啓蒙的役割も大きいだろう(固有名がズラズラと出てくるというのもある)。
気分が優れず。物事はさっぱりと処理したいし、ジメジメしているのは耐えがたい。何にせよ、適切な速度がともなわないといけない。