カメン・カレフ『ソフィアの夜明け』(2009)

EASTERN PLAYS ブルガリア映画 ブルガリア語・トルコ語・英語 89分 出演: フリスト・フリストフ、オヴァネス・ドゥロシャン、サーデット・ウシュル・アクソイ http://www.eiganokuni.com/sofia
歴史的背景からトルコに反感が根強いブルガリアを舞台に、トルコ人少女に出会い、希望を掴み取ろうとする孤独な青年芸術家と弟との関係をエネルギッシュに描いた、東京国際映画祭コンペ部門3冠に輝いた秀作青春映画!! (GH)

退屈すぎて帰ろうかと思ったが、途中から急に面白くなった。ネガティヴなことを言いまくる無気力な芸術家と、タトゥーを入れてネオナチに入っている弟。弟は仲間とトルコ人旅行者家族を襲撃し、そこに止めに入った兄は、被害者家族のインテリ娘と仲が良くなる(ただし兄には彼女がいる)。ヘビメタをガンガンに聴いているネオナチの若者達は、政治家に利用されて、サッカーの試合で暴動を起こしたりするのだが、インテリ娘が言うように、人びとの魂が悪くなっているのは、ネオナチも芸術家も変わらない。ドキュメンタリーっぽい作風で、実話も入っているらしいのだが、こんなに人びとの精神が荒廃しているとしたら、ソフィアは大丈夫なのだろうか?と思った。本当だとしたら、なぜこんな風になっているのか。必然性の感じられるかたちでバッハが使われていたのは良かった。BWV 974 Adagio(鼻歌付き)。
http://www.youtube.com/watch?v=b0D20kSRZP0&feature=related