ジョニー・トー『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2010)

主演:ジョニー・アリディ、シルヴィー・テステュー、アンソニー・ウォンラム・カートン、ラム・シュー、サイモン・ヤム
マカオに住む娘の家族が何者かに惨殺され、フランスから駆け付けたコステロ。ただ一人生き残った娘に復讐を誓った彼は、偶然知り合った3人組の殺し屋に仕事を依頼するが、仇の正体は意外にも…。過去に負った傷のせいで徐々に記憶を失い、娘のことも復讐のことも忘れてゆくコステロに、「心配するな、約束は守る―」と告げ、絶望的な戦いに赴く男達の滅びの美学が切なく胸に迫る。香港ノワールとフレンチ・ノワールの融合ともいうべきジョニー・トーの集大成。(CV)

仁侠者は死にぎわの美学が大事。空き地での銃撃戦はマキノの『死んで貰います』を彷彿とさせる、なかなかの出来映え。ドンパチやっても不思議なくらい人が死なないのは、死んでしまうとドンパチがすぐに終わってしまうからだろう。ただ脚本の展開も含めて、ちょっとサービス精神がありすぎるのでは。全体的に良いのだけど、長いわ。