ドミニク・アベル、フィオナ・ゴードン、ブルーノ・ロミ『アイスバーグ!』(2006)

L’ICEBERG ベルギー・フランス合作ベルギー映画 フランス語 87分 R18+ 出演:フィオナ・ゴードン、ドミニク・アベル、オルフェリー・ルソー 配給: フランス映画社 http://www.bowjapan.com/rumba
バーガーショップで働くフィオナは間違って冷凍庫に閉じ込められ、九死に一生を得たが、それから氷に異常なほどの憧れを抱くようになる。ドミニク・アベルとフィオナ・ゴードンの道化師ユニットが描くコミカルなファンタジー・アドベンチャー。(GH)

おそろしく個性的。そしてシュール。いきなり「イヌイット語を話せる世界で唯一の女性」が現れて、自己紹介。世界で自分しか理解しない言葉を話すというのはどういう気分だろうか?と思うが、自分しか理解できない、つまりは無意味な言語というのは、突き詰めれば誰にも当てはまる哲学的要素をもつわけで、主演の夫妻は道化師であるらしいのだが、道化とはその都度の理解をその都度裏切っていく行為だから、けっきょくは意味の無意味さを明るみに出す、逆に言えば、とつぜん氷山の魅力に取り憑かれてしまうような摩訶不思議な衝動を肯定する(シーツの踊り)、そういう映画はたしかにありうる。というか、映画においてひとつのショットがもつ力とは、本来そういうところに発生するともいえる。
http://www.youtube.com/watch?v=z0ams_um4Bw&feature=related