浅田次郎蒼穹の昴』(講談社文庫)、ドラマ版がNHK総合で放送されるらしいが、これは楽しみだ。文庫本の第1巻(全4巻)を読んだだけだが、光緒帝の治世、西太后が君臨する清朝末期の物語はすこぶる魅力的。科挙試験のありさまがこれほどまざまざと頭に浮かぶ叙述は、他になかなか無いんじゃないか?しかもカスティリオーネ乾隆帝の交遊にまで遡って、康煕帝までもが登場するというサービス精神の発揮のされよう(順治帝の下手な書のエピソードも、有名だけど、グッとツボを突かれる)。殿試に臨み、状元となる主人公・梁文秀が、顧炎武、黄宗羲の実証主義考証学)を口に上らせる設定も、時代の胎動を感じさせる。ていうか、じゃあ続き、はやく読めよって話だけど(笑)。
北千住が荒川と隅田川に囲まれた島であることを認識。
http://www.nhk.or.jp/subaru/midokoro.html