脳のダメージを回復させるため、ずっと寝転んでいた。酒見賢一『周公旦』(文春文庫)を読み終わる。ほんと、酒見賢一はすごいなぁ。周公旦は、殷周革命を成し遂げた武王の弟(文王の子)。巫祝の者でもあったが、武王が没した後は幼少の成王を助け、建国まもない周の基盤を強化した。前半は、(斉の)太公望呂尚とのライバル関係が読みどころ。後半、成長した成王に疎まれた周公旦は、蛮族の割拠する楚の地へと逃亡し、生贄の血を浴びたシャーマンたちが踊り狂うような異風の地で、礼を教え、国をまとめ、周への服属の道筋をつけて帰ってくる。すごいわ。
気づいたんだけど、文庫本で五経って、意外と読めないね。『易経』が岩波文庫、『詩経』が講談社学術文庫、あとは重そうな単行本じゃないとだめっぽい。夜、新宿で、とんかつにカレーを垂らした「とん丼」という不思議などんぶりを食った。

周公旦 (文春文庫)

周公旦 (文春文庫)