篠田正浩『スパイ・ゾルゲ』(2003)

(182分・35mm・カラー)篠田監督が10年間あたためてきた企画を引退作品として手がけた、国際的なスケールの政治ドラマ。監督は、ドイツ人新聞記者として日本に侵入したロシア側のスパイ、ゾルゲを描くことで、自らが生きた日本の昭和を異なる角度から捉えようとしている。
2003(スパイ・ゾルゲ製作委員会)(監)(原)(脚)篠田正浩(撮)鈴木達夫(美)及川一(音)池辺晋一郎(出)イアン・グレン本木雅弘椎名桔平上川隆也永澤俊矢葉月里緒菜小雪夏川結衣岩下志麻 (FC)

評判が散々の映画であることは知っていたが、どんなものかと思って見てみたら、果たして凡作であった。凡作があるから名作もあるのであって、凡作が存在する権利を否定する気はまったくないけれど、しかし何を描きたいのか分からないってやつだね。昭和初期の銀座のCGなんかも、興味深いがあざといし、模型みたいだ。仕方ないので、途中で退出。