ジャン=リュック・ゴダール『女は女である』(1961)

主演:ジャン=ポール・ベルモンドアンナ・カリーナジャン=クロード・ブリアリ、マリー・デュボワ、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドモンジョ
「24時間以内に子供が欲しい」ストリップ・ガールと、「結婚するまで欲しくない」恋人が、もう一人の男を巻き込んで、ドタバタ騒動を繰り広げる。アンナ・カリーナのキュートな女っぷりや、ポップな色調とテンポ、そしてアメリカのミュージカル映画への憧憬に満ち満ちた、傑作コメディ。トリュフォーの『突然炎のごとく』、『ピアニストを撃て』にもさりげなくウインクが飛ぶ。(CV)

前衛ミュージカル映画。昔、見たような、見てないような。アンナ・カリーナのウィンクが超かわいい。意味はないから、意味はわからないが、こういう前衛が試みられてよい時代だったんだろうね。論理や形式からの自由は、それがいったん表現されると、想像力にとっての拘束に転化するわけで(自由はなくなりはしないがその強度が目減りしていくことは必然)、一回限りの自由を謳歌する特権が堂々と行使されているのを見ると、ポストモダンというのは難儀な時代なんだなと思うね。