楽だったような、楽でなかったような一日。昼飯を食べながらいろいろと話を出来たのは良かった。明日のことで若干憂鬱だが、賽は投げられたわけだし、自意識を消去したうえで処理するしかない。やれやれ。
ちょっと前、『マルクスの現在』って10年前の本を古本屋で買ったのだが、面白かった。浅田彰が啓蒙的で素晴らしいのだが、彼にはもうちょっと本を書いてもらいたいよね。『トランスクリティーク』刊行前の柄谷との対談もgoodで、カントの読みはたしかにマルクスにぶつけられそうに思えてくる。講談社学術文庫に入ったら読んでみたい(笑)。純粋理性ってなんだよ、とか、『資本論』って終わったよね、とか色々あるが、批評の原理みたいなのが遂行的に示されている点でやはりなかなか参考になるわけだ。あと、上部構造の相対的自律性を強調しつつ、土台としての経済が最終審級として担保されるアルチュセールの「垂直性」について、浅田があくまで擁護しているのも、「ああそうなんだ」と思って興味深かった。「水平性」戦略をとるポストマルクス主義も、関係主義がアジア主義に転化する廣松哲学も、観念的に横滑りしちゃう面はあるわな、と思った。