「@練馬文化センター小ホール」

柳亭市楽 「鮫講釈」
立川談春 「牡丹灯籠 お札はがし」<仲入り>
笑福亭鶴瓶 「オールウェイズ お母ちゃんの笑顔」
柳亭市馬 「らくだ」

本当は市馬が一席、談志が二席の予定だったのだが、ご存じの通り、談志が糖尿病でダウンしてしまたので(入院先から一日で逃げ出したそうだ)、代わりに談春とゲストで鶴瓶がやってきた。談志価格で5000円。
談春「お札はがし」は、三遊亭圓生作の怪談もの。「蔵の扉に張ってあるお札のせいで恋い焦がれる萩原新三郎さまにお会いできない、ついてはお札をはがしてほしい」と、伴蔵・お峰夫婦のもとに夜な夜な若い女と女中の幽霊が通ってくる。幽霊になって怖いのは女だが、生きている人間でも怖いのはやっぱり女。欲望に取り憑かれたら、悪事なんていくらでも正当化できちゃうってのが、この噺の恐ろしさだよね。下駄の音と消える虫の音。談春はやっぱり本格派だわ。
笑福亭鶴瓶「オールウェイズ お母ちゃんの笑顔」。これは落語か?鶴瓶が子どもだったころのお母ちゃんの話で、かぎりなく落語風漫談。でもさすがは鶴瓶。平野の頭のおかしいオッサンと競馬で当てる話が痛快でおもしろかった。鶴瓶の限界ってわかりやすいけど、やっぱり立派だと思うね。
柳亭市馬「らくだ」。大ネタなので仕方ないが、45分を超える長さ。睡眠不足&疲労がたたって、らくだの兄貴分に屑屋が呑まされる場面の、酒を飲み干す時間の長さが辛かった。しかし談志の「らくだ」も聞いてみたい。市馬はマキノのやくざ映画に出てくるダンディーな悪者っぽくて、声がすこぶる良いね。