ウディ・アレン『それでも恋するバルセロナ』(2008)

VICKY CRISTINA BARCELONA アメリカ・スペイン合作映画 英語 1時間36分 出演: スカーレット・ヨハンソン/ペネロペ・クルス/ハビエル・バルデムレベッカ・ホールhttp://sore-koi.asmik-ace.co.jp/
夏のバルセロナで出会った、性格もキャラもかけ離れた3人の女と1人の男……。女心を熟知する魔術師ウディ・アレンが描く、ままならない男女の関係とスリリングな恋の魔力!!(GH)

才能ってあるんだな、と思うよね。ナレーションがそうなってるんだが、近代小説の語りがパロディ化されていて、“meanwhile”“meanwhile”と早送りのように、ヴィッキーとクリスティーナの恋愛模様が切り替わる。均質で空虚な時間を早送り(無時間化?)にすると、情念に流される人間の悲喜こもごもを超越的に見透かす神の視点があらわれる。近代人であることはもはやパロディです。逆セルバンテス?スペインだし。
ともあれ、すこぶる面白い。自分探し系のスカーレット・ヨハンソン、お堅い院生レベッカ・ホール、飛んでるスペイン人ペネロペ・クルス。上手いなあ、面白いなあ、アメリカ人てヘンテコだけど、ヨーロッパも変だよなぁ、と引き込まれっぱなしでした。ハビエル・バルデムもエロい。スペイン情緒もリフレクシヴなネタとしてカマされていて、とてもgood。