降旗康男『非行少女ヨーコ』(1966)

主演:谷隼人大原麗子荒木一郎、東野孝彦、城野ゆき
実話を元にした降旗康男監督のデビュー作。家出して新宿を彷徨うヨーコは、予備校生のジロウと知り合う。ヨーコに惚れていながら、なにもできない気の弱いジロウに苛立つヨーコ。そんなヨーコの夢の土地、それはジロウと一緒に観た映画に出てきた太陽が強烈に照り付けるサントロペだった。ある日、父親から貰った三十万円を持ってやって来たジロウは、サントロペへ行こうとせがむヨーコに負け、二人はヨーロッパ行きの貨物船に乗り込むのだった。 (CV)

1966年の新宿。ジャズとクスリ。モダンな都市の速度がもたらす自由はしかしプレモダンの不自由を払拭するためにこそ求められている。音楽の加速と停止。緑魔子の内部の炎は辺りを焼き尽くさずにおかないが、それは濃密な自由への推進力でもある。大原麗子のギャルぶりが頭わるそうで最高。寺山修司も登場。