今井正『山びこ学校』(1952)

(101分・35mm・白黒)無着成恭編集の同名の作文集の映画化で、脚色の八木保太郎自身のプロダクションの第1回作。山形市に近接する山間の実在の学校教師たちが教育に取り組む姿が描かれる。本作で目立つ議論の場面は、今井監督によれば「先生たちの熱意みたいなもの」を伝えたい八木の意向に沿ったものだという。「キネマ旬報」ベストテン8位。
'52(八木プロ)(監)今井正(原)無着成恭(脚)八木保太郎(撮)伊藤武夫(美)川島泰造(音)大木正夫(出)木村功滝沢修、東野英次郎、岡田英次金子信雄、和沢昌次、河崎保、西村晃杉葉子北林谷栄丹阿彌谷津子 (FC)

うーん。昔は単純で良かったね、という感じ。マルクス主義にせよ、近代主義にせよ。もちろん、江口江一の綴り方とか、現実は悲惨なんだけど、でも希望の抱き方はあまりに素朴。しかもその希望が語られる場が教育であると考えると、この程度の人間のとらえ方で良いのかと思われてならない。