ロジェ・プランション『ルイ、少年王』(1993)

LOUIS, ENFANT ROI (162分・35mm・カラー)演劇界で俳優・演出家として活躍するロジェ・プランションの映画監督デビュー作。フロンドの乱(1648-1653年)で混迷する時代を背景に、ルイ14世の波乱に満ちた幼少期が描かれている。ルイ14世の母親役を演じたカルメン・マウラは、ペドロ・アルモドバル監督の『ボルベール<帰郷>』(2006年)などでも好演している。
’93(監)(脚)ロジェ・プランション(撮)ジェラール・シモン(美)エジオ・フリジェリオ(音)ジャン=ピエール・フケイ(出)カルメン・マウラ、マキシム・マンション、パオロ・グラジオジ、ジョスラン・キヴラン、エルヴェ・ブリオ、ブリジット・カティロン、イリナ・ダル、セルジュ・デュピール、イザベル・ジュリナス(FC)

アンリ4世の嫁でルイ13世の摂政となったマリー・ド・メディシスが親スペイン路線を取って、フェリペ4世の姉であるアンヌ・ドートリッシュルイ13世の嫁にもらうが、ルイ13世はホモで、アンヌの息子ルイ14世マザランの子とのもっぱらの噂(リシュリューが偽装工作?)。そうしたなか、三十年戦争の出費にともなう増税で、高等法院を中心とする法服貴族、コンデ親王らの伝統貴族が不平を抱き、マザランがイタリア人、アンヌ・ドートリッシュがスペイン人であることの反感も加わり、フロンドの乱が起きる。子供だったルイ14世は、パリを逃れ、逃げまくるが、逃げている間も争乱を楽しんでいるかのようで、不思議だった。