トム・フーパー『英国王のスピーチ』(2010)

THE KING’S SPEECH イギリス・オーストラリア合作映画 英語 118分 第83回アカデミー賞 作品賞/主演男優賞/脚本賞/監督賞 出演: コリン・ファースジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター
英国王ジョージ6世は、兄のエドワードが愛のため王冠を捨てたことから予期せぬ座についた。彼には吃音という悩みがあり、克服するため個性的な専門家の指導を仰ぎ、国民の心をひとつにすべく渾身のスピーチに挑む…感動の実話!!(GH)

なかなかの傑作。英国王室の雰囲気にベートーベンの音楽がめちゃくちゃ合ってる。吃音の克服が、共感的関係性の再構築であって、ラジオを通じて最終的に「声の共同体」としての国民国家が浮かび上がるというのは、とても面白い。それにしても、愛人と結婚したいという兄エドワードが、あまりに潔く王座を退いたのには呆れた。力量を弁えているといえば、まあそうだが。