今敏『PERFECT BLUE』(1998)

(82分・35mm・カラー)女優へ転身しようと奮闘する女性アイドルが、世間での評判とは裏腹に自信を喪失してゆく一方、周囲でも奇妙な事件が次々と起こり不穏な空気が漂う。ストーカーやインターネットといった1990年代後半以降の社会的トピックを取り上げ、現代の混迷する自己を描いた今敏の長篇デビュー作。
'98(レックスエンタテインメント)(監)今敏(原)竹内義和(脚)村井さだゆき(撮)白井久男(美)池信孝(音)磯見雅博(声)岩男潤子松本梨香辻親八大倉正章秋元羊介塩屋翼堀秀行篠原恵美 (FC)

すばらしかった。『千年女優』とか『パプリカ』とかより、話が込み入りすぎていないのもいい。アイドルが女優に転身して多重人格的に現実が多重化していく。物語のなかの物語、ブラウン管のなかの現実、夢の中の幻想。絵もきれいで、見てよかった。