ミヒャエル・ハネケ『白いリボン』(2009)

DAS WEISSE BAND ドイツ・オーストリア・フランス・イタリア合作、ドイツ映画 ドイツ語 144分 出演: クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール http://www.shiroi-ribon.com
プロテスタントの教えに忠実な人々が住む、ドイツの小さな村で不可解な事故が続発。疑心暗鬼の村人たち“罰”の儀式に苦しむ子供たち…鬼才ミヒャエル・ハネケ監督の、観る者を見えない“魔物”の名指しに挑ませる最新作!! (GH)

やたらと重苦しいのを我慢しつつも、面白く見た。第一世界大戦が勃発する直前の、北ドイツのプロテスタントの村。やたらと不穏な事件が続発するのだが、その不穏さは教師の回想(ナチズム以後の回想)のなかで見出されたものであり、ある面では、それぞれの事件はすぐさま日常に回収されてしまっているように見えなくもない。教師自身は恋に夢中だし。しかし教師の主観をつうじて検証されていく悪は、とんでもなく根深い悪であり、しかもきわめて特殊な性質の悪だよなぁと個人的には思わされた。いや、特殊ではない、という人もいるかもしれないが。怖い映画だった。