原恵一『カラフル』(2010)

2時間7分、原作 森絵都、キャスト 冨澤風斗  宮崎あおい 南明奈 まいける 入江甚儀 藤原啓治 中尾明慶 麻生久美子 高橋克実 colorful-movie.jp
第135回直木賞の受賞作家・森絵都の小説『カラフル』をアニメ映画化。大きな過ちを犯して死んだ“ぼく“の魂に、下界に戻って再挑戦するチャンスが与えられ、“ぼく“はある中学生の体に入り込んで生きることに。『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!大人帝国の逆襲』や『河童のクゥと夏休み』が高い評価を受ける原恵一が監督と務める。(ぴあ映画)

自殺した中学生が生き返る。「中学生の頃は自分も悩んでいたし、暗かったなぁ」と共感して観る人って、どのくらいいるのだろうか?昔は自分も「中学生は暗いものだ」と思っていたが、一般的に思春期が暗い時期なのかどうか、今ではよく分からない。尾崎豊の歌とか、どう受け止められるんだろう?
そういう意味で、若干、80年代〜90年代くらいの古い思春期イメージではないかと思った。援交世代が甦った感じ。主題の古くささと、メッセージのシンプルさ(アンジェラ・アキの『手紙』が流れたりする)に違和感があったが、世田谷パトリオティズム(二子玉)が濃厚な都電の描写、新興住宅街の特有な雰囲気、秋から冬にかけての季節感、淡々とした家族の心理描写(ある意味、小津映画?)など、非常に巧みさも感じた。
http://www.youtube.com/watch?v=aKf-V7dl4JA&feature=related