五所平之助『わが愛』(1960)

(97分・35mm・カラー)原作→井上靖「通夜の客」井上靖は戦後の文学者の中でも特にすぐれたメロドラマ作者であったが、その井上の原作をもとに、メロドラマのベテラン・五所平之助が、戦争の時代をはさんで、ひたすら一人の男を愛し続けた女ごころの年代記を、耽美的に描いて正統的メロドラマ映画に仕立てた。
'60(松竹)(監)五所平之助(脚)八住利雄(撮)竹野治夫(美)平川透徹(音)芥川也寸志(出)有馬稲子佐分利信丹阿彌谷津子乙羽信子、高橋とよ、川口京子 (FC)

有馬稲子佐分利信の二号さんになって、三年間も山に籠もって尽くすのだが、佐分利は有楽町で急死してしまう。本妻に嫉妬する有馬の心理的葛藤が描かれるが、とてつもなくくだらなく、でも別に面白さなんて期待してないので、これで良いのである。昭和も遠くなりにけり。有馬稲子の代表作って、何なんだろうか?ちょっと滝クリに似てるよね。