夜、長時間のスカイプ。『1Q84』を読んだtantan、『エヴァ:破』に百点満点を出したオタク氏。父が与える絶対的権威など存在せず、母の無限の抱擁も存在するとすれば抑圧でしかないという状況において、恋愛関係(友人関係)のなかに新たな関係のヒントはある。あるいは兄弟関係。日米関係だってそう。
山崎正和『混沌からの表現』を再読。建前のみの公的世界と、やたらめったら腹を割りたがる「精神的ストリップ」(丸山)の私的世界との分裂。これは、16世紀の文化のポテンシャル(数寄)を閉ざした江戸幕府文化政策に由来するもので、要するに、他者性を前提とした社交の空間が存在していない。山崎の表現だと、「夕方の時間」を復活しなければならない。「国立漫画喫茶」の問題も、文化政策が公的な制度と私的な趣味世界との間で分裂しすぎている点に問題があり、もうちょっと知恵をしぼる余地はあるかもしれない。ちなみに、『へうげもの』が描く16世紀(室町・戦国時代)の面白さは、上記の観点からする室町時代の面白さによるところが大きいと思う。