エドワード・ズウィック『ディファイアンス』（2008）

ＤＥＦＩＡＮＣＥ　2時間16分 出演： ダニエル・クレイグ／ジェイミー・ベル／リーヴ・シュレイヴァー／ジョージ・マッケイ　http://defiance-movie.jp/
1941年、ナチスに両親を殺されたビエルスキ兄弟は、ベラルーシの森に立て籠もり、ユダヤ人として人間らしく自由に暮せる共同体を築いたが、困難続きの中、終戦の年に1200人ものユダヤ人が生きていた！！実話に基づくもう一人のシンドラー物語。

インテリ・ユダヤ人ではなく、体育会系ユダヤ人たちが、ナチスを逃れて森の中で生活する。ビエルスキ兄弟の兄はコミューンをつくり、弟はロシアの共産主義パルチザンに参加する。ユダヤ人がつくるコミューンは出エジプトの記憶でまとめられ、その生活の労苦に対しては「選民であるのはもうイヤだ、神の使命は他の民族に担わせて欲しい」などといった弱音が吐かれるのがおもしろい。一方、共産主義パルチザンと、ユダヤ教徒との親和性も瞠目すべきであり、皇帝教皇主義的というべきか、神あるいは真理に由来する鉄の規律にメンバーは一律に服する（アンチ・セミティズムは許されない）。インテリ・ユダヤ人の知的諧謔ではなく行動派ユダヤ人だとどうなるか、というのは実話に即していることもあって魅力的なテーマだが、逃避行と戦闘シーンばっかりで長すぎるとおもった。