ガス・ヴァン・サント『パラノイドパーク』(2007)

PARANOID PARK アメリカ・フランス 85分 スタンダード・SR 監督・脚本・編集 ガス・ヴァン・サント 原作 ブレイク・ネルソン 撮影 クリストファー・ドイル/レイン・キャシー・リー 出演 ゲイブ・ネヴァンス/テイラー・モンセン/ジェイク・ミラー/ローレン・マッキニー/スコット・グリーン/ダン・リウ 2007年カンヌ国際映画祭60周年記念特別賞 http://paranoidpark.jp/index.html

途中で悪ふざけの過ぎる残虐シーンがあり、欧米人の観客の叫び声とともに目が覚めた。スケボー少年が人殺しをしてしまう話。岩井俊二が美少女に注ぐのと同様の視線がこの作品では美少年に注がれている。人工美に満ちた感覚世界が構築される様はまるでマーラー交響曲だが、いまひとつガツンとこないのは、病的な表現が好まれたり、それが目指されたりするのが、健康な人間の気まぐれに過ぎないように映るため。メタ的だったらいいってもんじゃない。面白いところもあるが。