『鞍馬天狗 江戸日記』(1939)

(63分・35mm・白黒)原作:大佛次郎(1934-35年)生みの親は大佛次郎。育ての親は嵐寛寿郎。時代劇映画最大のヒーロー鞍馬天狗の生命は、映画デビュー以来約40本を演じたアラカンの偉大なマンネリズムあってこそ。「江戸日記」は地方紙の連載で、天狗が京都を離れた異色作だが、原作には登場しないはずの杉作少年などにも出番を与え、年少観客への配慮も忘れていない。
'39(日活)(監)松田定次(脚)比佐芳武(撮)吉見滋男(音)高橋半(出)嵐寛壽郎、河部五郎、原健作、香川良介、瀬川路三郎、尾上菊太郎、志村喬、遠山満、團徳麿、宗春太郎 (FC)

ラカンの独特なリズム感。不器用なしゃべりだが堂々としているのが偉い。画面左上方で捉えられる不敵な笑み。現在と比べると万事がゆったり。走るシーンを複数回つなげて疾走感を出すテクニックは古くさい。